お屠蘇とは?
由来と意味、現代の暮らしに合う取り入れ方
はじめに
お正月にいただく「お屠蘇(おとそ)」。
お酒の印象が強いかもしれませんが、
本来は一年の健康を願うための養生の知恵です。
今の暮らしや体調に合わせて、
やさしく取り入れることができます。
お屠蘇は、
新しい年を迎えるために
心身の状態を整え、
巡りをよくするための“準備”。
今回は、その由来をふまえながら、
取り入れ方をご紹介します。
お屠蘇の由来と意味
お屠蘇は、
山椒・陳皮(ちんぴ)・桂皮(けいひ)など、
複数の生薬を調合した「屠蘇散」を、
清酒やみりんに浸していただく伝統があります。
「屠蘇」という言葉には、
-
悪鬼(病や不調、目に見えない災い)を退け
-
生気・生命力をよみがえらせる
という意味が込められています。
ここでいう悪鬼とは、
恐ろしい存在というよりも、
疫病や冷え、巡りの滞り、
季節の変わり目に起こりやすい心身の弱りなど、
生命力を削ぐものの象徴。
その起源は中国にさかのぼり、
名医・華佗(かだ)に始まると伝えられています。
平安時代に日本へ伝わり、
宮中行事として定着しました。
なぜ「養生」なの??
屠蘇散に使われる生薬には、
-
体を内側から温める
-
胃腸の働きを整える
-
巡りを促し、季節の変化に適応しやすい体をつくる
といった働きが、古くから期待されてきました。
つまりお屠蘇は、
「祝うために飲むお酒」ではなく、
一年を健やかに始めるための養生。
年のはじめに、
体と心の状態をリセットし、
生気が自然に巡る土台を整える。
それは、
ヨガ、アーユルヴェーダでも大切にしていること。
現代の暮らしに合う取り入れ方
必ずしもアルコールである必要はありません。
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ノンアルコールで
-
スパイスティーとして
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チャイ風にアレンジして
体質や年齢、家族構成、
その年の体調に合わせて、
無理のない形で取り入れることができます。
大切なのは、
今の自分にとって心地よいかどうか。
かんたん お屠蘇チャイ
材料(1〜2杯分)
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水 200ml
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ミルク(豆乳・オーツミルクなどお好みで)100〜150ml
お屠蘇または下記のスパイスでも
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山椒 少々
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陳皮(乾燥みかんの皮)ひとつまみ
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桂皮(シナモンスティックまたはパウダー)少量
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生姜(薄切り)2〜3枚
クローブ 少々(効能が強いけれど、味も強いので子どもと飲む場合は少量で)
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黒糖 お好みで
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紅茶のティーバッグ 1個(なくても大丈夫)
作り方
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小鍋に水、お屠蘇または生姜、スパイス類を入れ、弱火で5分ほど温める
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紅茶を淹れる場合は、香りが立ってきたら加え、さらに1〜2分
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ミルクを加え、沸騰させないように温める
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火を止め、甘みを加えて完成
体を内側から温め、
呼吸が自然と深くなる一杯です。
ポイント
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スパイスはすべて揃えなくても大丈夫
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冷えやすい方は生姜を多めに
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胃腸が弱い方は薄めに
-
小さなお子さんにはスパイスを少量で
養生は、
何かを足すことではなく、
本来の巡りを取り戻すこと。
お屠蘇に込められた
「悪鬼を退け、生気をよみがえらせる」という願いも、
今の言葉に置き換えれば、
生命力が自然に立ち上がる状態を整えるということ。
一年のはじまりに、
あたたかい一杯とともに、
呼吸を整え、
静かに自分の内側へ戻る時間を。
そこから、
新しい年は、すでに始まっています。
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